ルネサンスオルガンの風圧
Air pressure of renaissance organs
当時はそんなに高い圧力が作れる技術がなかったこともあり、ルネサンスのオルガンの音色は、
とても柔らかくて優しい、
はず、なのに、
最近のルネサンスオルガン(と呼ばれるもの)は、風圧が高いことが多い気がする

とくに修復、メンテナンスのあとですね
ルネサンスのパイプを含む、
ある小さめなオルガンの様子を見ているのですが、
風圧を少し下げると、音色が綺麗になるんですねー
鳴りにくいパイプの様子から見ても、風圧が高すぎる。
これ、もっと下げた方がいい感覚がしてます。
San Petronio のオルガンですら、
昨年からのメンテナンスのあと、
つい先日聴いたら、
高い音が、ペーーって、まるでバロック。
超ガッカリしました

前の方が良かったんじゃ。
ふいごの修復を見てたのだけど、
ふいごが上がり過ぎないように、ロープでの抑えを新しく追加していました。
これって、風圧上がってない?!
耳で聴いた感覚ですが。
知人によると、バロック以降みたいな華やかなのが好まれるからねって。。
じゃ、ルネサンスのオルガンなんて、、
嘘じゃないか

お金やマーケットの傾向から、
操作されているのかもしれない。
そして、そんなのを聴いてばかりいると、
本来持ってるはずの人間の感覚すら鈍ってくる。
音大の酷い音響環境など、技術と知識と引き換えに、感覚を悪くしに行ってるようなものだ。
しかも、
バロックの酷い音響の箱に入れられたままの聖ペロトーニオのオルガンは、
ルネサンス時代には、もっと木製の箱で綺麗に響いていたに違いない

誰かこれらのオルガンをほんとのオリジナルに戻してくれないだろうか、、なんて最近思ってる

これらのオルガンがいまの場所に移動して、バロックの石の箱に入れられてしまった背景には、
オルガン自体の音色よりも、
バルコニーの見かけと、オケとの都合が優先されたことは明らかです

ルネサンス以降に改変がされてないオルガンなんて、全くなくて、
時代経過の間に、たくさんのビルダーが作り直しているんですよね。
あるお友達が言うには、
次のビルダーが触った段階で、もう前のものではないって。そこまで言う人もいる

そして、改変のときに、新しいパイプを追加していたりすると、
その新しいパイプのために、高い風圧が必要だったりする。
この小さなオルガンも、コルネットが入ってるからね、、
高い風圧はコルネットのためなのかも。
にしても、きれいなパイプのサイン、Cipriのパイプなんじゃないかな?
内側のパイプも、重い鉛のもので、ルネサンスのパイプなのは明らからしいです

ボローニャ 聖ニコロ教会のパイプ